
豚骨 ゲンコツの写真
真ん中の白い骨の割れ目に見えるのが、骨髄。
プヨプヨした物体です。
中央の白い骨の部分は、長時間煮込むと溶けて無くなってしまいます。
両側の丸骨の部分は、ザラザラした骨粒(骨粉)としてスープに残ります。
豚骨には色々と種類があります。
ラーメン店によって、使用する部位も異なります。
写真のゲンコツ(脛骨or大腿骨)の他に、
背ガラ(背骨)、豚頭骨(頭蓋骨・上アゴ)、アバラ骨
その他の部位の骨・・・ など
< 豚骨・ゲンコツ 通信販売 >
お肉工房 ラーメンスープ材料
沖縄県産 豚げんこつ
おのみちサンポーク 豚げんこつ
< 下処理不要の豚骨・ガラパック >
ガラポン 豚骨

濃厚な白湯スープを作る場合は、
お湯の蒸発量も多く、長時間煮込む必要もあるので、
寸胴があると便利です。
家庭のコンロですと、30cm程度がベストでしょうか。
( アルミ寸胴の情報は、このページの最後にあります )
< 博多長浜系 とんこつラーメン >
( スープ )
◆ 豚頭骨、げんこつ、背ガラ、コミガラ、背脂、豚足、皮などから選択
上記材料を、12時間以上、強火で煮込んで適度に煮詰めます。
根気がある場合は、古いガラを捨て、新しい材料に入れ替えて、
さらに長時間煮込んでスープの濃度を高めて完成。
煮詰まったスープの濃度をさらに高めたい時は、差し水(か湯)をして
スープの濃度を下げて、ダシが出やすいようにして煮込みます。
ラーメン店では、16時間煮込むお店、24時間煮込むお店など
様々です。
豚骨の量は、スープ1杯あたり最低、3〜500gは欲しいです。
乳化を促進するための背脂も入れます。
※ 東京都足立区の田中商店での作り方
1日目 豚骨や背脂等を20時間煮込みスープを作る、ガラを捨てる
2日目 1日目のスープに新しいガラと水を加え、さらに煮込んで
濃度を高める
3日目 2日目と同じことを繰り返し、完成。
※ 本場博多では分かりませんが、東京近郊の長浜系有名店では、
鶏ガラや野菜は使わず、ブタの材料100%で作るお店も多いです。
※ 魚介なども含め、ブタ以外の材料の使用はお好みですね。
( チャーシュー)
◆ チャーシュー用の豚肉
スープで煮出すお店、スープとは別に煮込むお店があると思います。
( タレ )
◆ 薄口醤油、 白醤油、
塩などから調味料を選択します
◆ 化学調味料、日本酒、みりん、砂糖や昆布は、お好みで入れます
( 麺 )
超低加水の極細麺は、なかなか入手できないのが難点。
スーパーなどで九州の棒ラーメンも売っていますが、
風味や食感が、今ひとつです。
手作りするにも、かなり難しいタイプの麺です。
お店で食べるような麺がどうしても入手できないので、
私は家で食べたいからと、お店で生麺を売ってもらうこともあります。 |
< 背脂チャッチャ系、横浜家系ラーメン >
( スープ )
◆ げんこつ、背ガラ、鶏ガラ、豚足、豚肉、背脂、野菜、果物、ねぎ、
昆布など
上記材料を、8〜12時間くらい強火で煮込みます。
背脂チャッチャ系で、あっさりしたタイプのスープが作りたい時は、
中火で最低3〜4時間煮込むと良いと思います。
(
豚肉は、バラ肉以外はパサつくので、2時間程度で取り出します
)
豚骨・鶏ガラの分量は、スープ1杯あたり3〜500gは欲しいです
※ 家系ラーメン総本山の吉村家では、1500人分の材料として
豚骨1トン、鶏ガラ500kgを使用するそうです。(一杯分
1kg)
一度に煮出すのではなく、途中でガラを交換したり、追いガラを
していると思います。
( タレ )
◆ しょうゆ、塩
◆ 日本酒、みりん、砂糖、昆布 など
◆ 化学調味料 ( お好みで )
◆ 豚肉のダシ
( 豚肉を醤油ダレで煮込んで、タレに豚の旨味を移すか、
スープで煮込んだ豚肉を、醤油ダレに漬け込みます )
醤油には、こいくち、うすくち(淡口)、たまり醤油など種類がありますので
作りたいラーメンによって、醤油を選びます。
しょうゆ感を出したい時は 「こいくち醤油」、
さっぱり感を出したい時は 「うすくち醤油」、
まったり感を出したい時は 「たまり醤油」 など。
タレの色は、スープの色合いにも影響しますので、色合いを薄くしたい
時は「うすくち醤油」を混ぜたり、「塩」を加えて醤油の量を加減します。
醤油などタレの材料は
85℃程度まで加熱した後、冷蔵庫で数日間
寝かせると、カドが取れてまろやかになります。
スープでチャーシュー用の豚肉を煮込んだ場合は、醤油ダレに20〜30分
肉を漬け込み、味付けをします。(時間は、8cmくらいの肉の場合)
( アブラ )
◆ 家系ラーメンの場合は、鶏油(チーユ)をスープに浮かべます。
鶏ガラを煮込んでも鶏油は浮いてきます、それを引き上げておくか、
鶏皮などを買ってきて、フライパンで加熱したり、茹でたりしても鶏油が
取れます。 業務用に鶏油の缶詰製品も売られています。
◆ 背脂チャッチャ系は、煮込んで柔らかくなった背脂を網で濾しながら丼に
チャッチャします。(
または網を使わず、背脂はハシや泡立て器で砕く )
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< 豚骨の下処理 >ゲンコツはアクが強いので、沸騰したお湯で15分〜30分程度、下茹でします。
背ガラ(背骨)は出汁の出が早いので、あまり長時間、下茹でしないほうが良いかもしれません。
その他の骨を使用する時も、同じようにお湯で下茹ですれば良いと思います。
豚頭骨は、30分〜2時間と長時間かけて血抜きをするお店も多いようです。
※下茹では、水から行うのではなく、沸騰したお湯で行います。
下茹でに使ったお湯はスープには使いませんので、捨ててしまいます。
最初から半分にカットされているゲンコツの場合は、あまり下茹でし過ぎると、白骨(白い棒の部分)の中にある骨髄の旨味が逃げてしまうかも。
私はお店で売っていない時は仕方ないですが、上記の理由で、半分にカットされたゲンコツを買うのはなるべく避けています。
豚骨を下茹でしたら、
水で血を良く洗い流します。
タワシでゴシゴシ洗う人もいます。
肉などを取る必要はありませんが、中に残った血合いを洗い流します。
ゲンコツを使用する場合は、次に、
片手で端っこの丸骨の部分を持ち、利き手にハンマーを持って、白骨を叩き割ります。
白骨の中にある、骨髄から出汁が出やすくするためです。(左の写真参照)
最初は上手く割れないと思いますが、ハンマーで叩いていくと、割れ易い箇所が見つかるので、そこを目がけて叩きます。(割れない箇所は、手応えが重いです)
骨が飛び散ったり、手をケガする可能性もあるので、手袋をしたり、注意も必要です。
ハンマーで割る以外にも、ドリルで穴を開ける方法もあります。お店では、電動丸ノコで真っ二つに切るケースもあります。
長時間煮込んで骨まで溶かしてしまう濃厚豚骨スープを作る場合は、骨を割らなくても、結局溶けるからいいのかな・・? 私は一応、割ってから煮込みますが。
※ あるお肉屋さんは、ゲンコツを割ると臭いが出るので、割らずにじっくりと煮出したほうが良いとおっしゃっていました。
一般的には、割るケースが多いと思いますが。
九州系ラーメンなど、ド豚骨スープのお店の中には、豚頭骨を使用するお店もあります。独特の臭い・香り、美味しい出汁が取れます。
「脳」の部分は、使うお店と、使わないお店があるようですが、一般的には脳からも出汁を取ることが多いようです。
豚頭は、見た目が強烈なので、家庭で使用する人は、よっぽどのマニアですね。
家庭の普通鍋では入りきれませんし。
豚 頭 には、
・頭蓋骨と脳だけの豚頭骨タイプ
(肉・皮なし)
・豚さんのお顔がそのまま付いてるタイプ
(頭蓋骨・脳・肉・皮つき)
があります。
テレビに映るド豚骨ラーメン店が煮込んでいるのは、だいたい 「頭蓋骨+脳 (肉・皮なし)」 の場合が多いです。
肉屋さんに注文する時は、指定をしないと、
ブタさんの顔がそのまま来てしまうかも。
※ しかも、肉・皮付きは高価です。
頭蓋骨のみなら、普通は安価です。
< とんこつスープの作り方 >
あっさり透明スープ (清湯:チンタン)
鍋に水を張り、下処理した豚骨を入れ、火にかけます。沸騰直前までは強火でも構いません。 そのあと、アクを取りながら、
弱火〜中火で最低、3〜4時間煮込みます。
綺麗なスープにしたい時は弱火〜弱中火、
力強いスープにしたい時は、濁りを気にせず、中火
以上の火力で良いと思います。
※
佐野実氏は、豚骨(ゲンコツの場合)は8時間でダシが出るとおっしゃっています。
背ガラはゲンコツより早くダシが取れますが、ダシの出が長続きしないようです。
臭い消しのネギ(青い部分)・ニンニク・しょうがや、タマネギ・ニンジン・白菜・リンゴなどの野菜果物、旨味を補強するために昆布、干しきのこ類などを入れるのが一般的です。
豚骨スープの場合は、チャーシュー用の豚肉を一緒に煮込んでスープに豚肉のダシを移しても、違和感はないと思います。
魚介が苦手でなければ、かつお節やサバ節、煮干し、ホタテ貝柱、貝の煮汁などで、スープのバリエーションが増やせます。
コク・うま味を補強するために、鶏ガラと一緒に煮込むお店も多いようです。
※ 臭い対策で、酢や酒を少量加えるお店もあるようです。
コッテリ白濁スープ(白湯:パイタン)
鍋に水を張り、下処理した豚骨を入れ、火にかけます。浮いたアクを取りながら、
強火で8〜12時間以上、煮込みます。
長時間煮込む場合は、一度に骨を全部入れず、数回に分けて時間差で入れる方法もあります。
(または、途中でガラを入れ替える)
16〜24時間煮込むお店も多いです。
作りたい濃度・味になるまで煮込みます。
背脂(またはラードでも)が入手できる場合は、乳化しやすいよう、脂も加えて煮込んだほうが良いです。
鶏ガラと同じく、長時間、強火で煮込むと、白くてクリーミーなスープになります。
火力が弱いときは、寸胴にフタをすると良いと思います。
さらに粘度を加えてドロドロにしたい時は、ジャガイモなどの野菜か、モミジ(鶏の足)や豚皮、豚足など、ゼラチン質の多い材料を加えます。
その他の材料は、あっさりスープの材料と同じもので、バリエーションが増やせます。
超濃厚な豚骨スープを作る時は、骨を継ぎ足し、もしくは新しいガラに交換しながら長時間、煮込む場合もあります。
長浜ラーメンで有名な足立区の田中商店
では、
1日目 豚骨スープを作る、ガラを捨てる
( 背脂も加える。20時間煮込む )
2日目 1日目のスープに新しいガラと水を
加え、さらに煮込んで濃度を高める
3日目 2日目と同じことを繰り返し、完成
材料には、豚のあらゆる部位が使われるそうです。 ど根性豚骨。
乳化しやすいよう、背脂などの脂も炊き込むようです。
※ドロドロスープは、鍋底が焦げ付きやすいので、かき回しながら注意して煮込みます。
豚骨は旨味というより、コクを出す食材のようです。旨味を補強したい時は、鶏ガラを増やすとよいかもしれません。
● スープを混ぜる棒 ●
白湯スープを長時間かけて作る場合は
スープをかき混ぜる棒があると
便利です。
ただの棒 (麺棒)でも構いませんが、
手が痛くなるのが難点です。
ラーメン店で使用している棒は、
えんま棒 ・ エンマ棒
と言うみたいです。
(楽天市場)エンマ棒の全リスト |