<鶏ガラ下茹で>
まず、沸騰したお湯で鶏ガラを2〜3分間、下茹で。
その後、煮込む水が少ないので、材料が鍋に沈むよう、鶏ガラを分解しました。
適当に、手で分解。
分解すると、奥から血が出てきます。 内臓などを取りながら、水で洗い流します。
<昆布>
水に漬けておいた日高昆布7gに、少し熱を加えます。沸騰直前で昆布は取り出し。
500cc程度の出汁ですが、飲むと、昆布の旨味・甘味が感じられます。
7gが多いのか、少ないのかは分かりませんが、塩ダレの分と合わせて10g。
1kg3000円の昆布とすると、10gでは原価30円。
ラーメン店の原価で30円は、かなり大きい数字だと思うので、金額を元に、使用量を10gにしてみました。
30円っていったら、チャーシュー1枚増やせるし、麺も半玉増やせるし、昆布に30円使うお店は、多分スープに相当こだわってるお店かもしれません。
昆布は、化学調味料で代用してしまえば、1〜2円で済みます。 その分、チャーシューや麺を増量したほうが、お客さん受けは良さそうですね。
<煮込み開始>
昆布の出汁と水を合わせ、1リットルにしたら、鶏ガラの鍋に入れ、火にかけます。
だいたい90℃くらいで安定するよう加熱。
弱火で火が消えない程度にガスコンロを調整し、あとはしばらく放置。
今回の鶏ガラは、普段買っている若鶏のガラと少し違い、親鳥(廃鶏)っぽい、
鶏を感じさせる香り。 ちょっとワイルドな匂いかな・・ 一抹の不安。
ちょっと飲んでみる。 ウマー。 化学調味料なみの旨味が炸裂してます。
まだこれから煮詰めるんだけど、どうなるのかな?
なんか焼き鳥っぽい臭いもしてるなあ・・ 臭いがちょっと心配。
臭いがしていても、直ちに問題はなさそうなので煮込み続行。
材料の鶏ガラが、スープから完全に頭を出してしまっているので、ここで300cc程度のお湯を追加。
2時間でやめておけば良かったかも・・
スープも減ってきて、500ccくらいになったので、ここで煮込みは終了。
う〜ん・・ 旨味は濃いけど、臭いがやっぱりキツイ
これに塩ダレだと、ちょっと鶏臭くてダメかも・・
試飲した後に、臭いが胃袋に残ります。
臭みのある豚骨スープを飲んだ後のような不快感・・
ちょっと、鶏ガラが多すぎたのかも。
2時間後のスープのほうが美味しく感じる
2番出汁を取る
まだ出汁が出そうだったので、鍋に水を入れ、2番出汁を取ることに。
最初のスープの半分くらいの濃度のスープが取れました。でも少し鶏くさい・・
いったん冷凍しておいて、後はどうやっつけるか、考えます。
↓
後日、かつお節と煮干しの出汁を加え、醤油ダレ(醤油・みりん・塩)で
食べたところ、美味しかったです。(無化調)
鶏の臭いは気になりませんでした。
スープ単体だと、鶏臭いスープでしたが、
ネギをのせた効果もあってか、食べている時は、鶏の臭みはそれほど感じません。
人間の鼻はバカなので、すぐに慣れてしまうと女医の西川先生が言っていたような。
でも、このレベルですと、鶏の臭いに敏感な人は、ダメでしょうね。
< スープ >は、もうちょっとパンチが出るかと思いましたが、普通の鶏ガラスープ。
鶏ガラと昆布だけだと、味が単調で、すぐに飽きてきます。
塩ダレに干し貝柱を入れれば良かった。(または生の貝柱の煮汁など)
かつお節や煮干しを入れるとガラッと良くなりますが、香りが強すぎるので、
今回は入れないつもりでした。
香りの少ないキノコ類の出汁があってもよかったかもしれません。
多くのお店では、アッサリスープにも豚骨を加えますが、豚骨のうま味が少しあれば、印象も少し違ったかもしれません。
佐野実氏の「支那そばや」は、鶏ガラとは別にゲンコツを8時間煮て、もっと短い時間で作った鶏ガラスープと合体。その後、一晩、冷蔵庫で寝かせるのだとか。
「ぜんや」は豚の背ガラやアバラ骨を下茹でしている映像がありました。
< 塩ダレ >は、塩がキーンッと立ってしまっていて、とがった感じがします。
もっと寝かせたら、まろやかになっていたのか・・・
それとも、赤穂の天塩ではこれが限界?
岩塩など、もうちょっと、まろやかな甘味のある塩ならだいぶ印象が違うと思います。
あと、日本酒を入れなかったのも少し影響か・・ (飲んでしまい、品切れでした)
仕方ないので、みりんを追加したら、今度は甘みが出てボヤーっとした感じに。
少し強めの鶏ガラの風味といい、単調な味といい・・
街の古い中華屋さんのラーメンっぽい雰囲気です。
無化調にこだわってるんだけど、味が今ひとつパッとしないという印象。
そして最後に、化学調味料を少量入れてみました。
相変わらず、味が激変します。
こうやって飲み比べすると、化学調味料の旨味はやはり、口の中にまとわり付いて残りますね。 支那そばやって、無化調かと思っていたのですが、ストレートスープの通販ラーメンだと、調味料(アミノ酸)って書いてあるんですよね。 店舗で出しているのと同じように作られたラーメンですし、通販用だけ化調を入れているのか、お店のラーメンにも入っているのか。 他の無化調のお店は、通販ラーメンも、無化調ですし。 まあどうでもいいのですが
まず、鶏ガラを増やした場合は臭い対策をしっかりする必要がありそうです。
地鶏とかなら、まだマシなのだろうか・・?!
リンゴを入れて臭いを消しているお店もあるそうですが、
変な甘味は出ないのか・・
かつお節でも何でも、入れすぎるとエグミや苦味が出たり、風味が強くなりすぎたりするのと一緒で、ほどほどの量でバランスを取るのが良いのかもしれませんね。
「支那そばや」のように、様々な食材を少量ずつ付け足していくほうが、余計な臭いやエグミも出ないでしょうし、今回は水に浸らないほどの鶏ガラを入れてしまったのが失敗だったのかもしれません。 白湯なら、時間差攻撃で、大量のガラを投入しても良いのでしょうが。
あっさり清湯スープでも、1羽を2時間くらいで交換し、もう1羽で追い炊きをしていたら、もっと香りは良くなっていたのかな・・?!
スープは煮込み始めて2時間のスープのほうが、美味しかった気がします。気のせい?
時間が経つと、骨の風味も出てくると思いますし、3.5時間と、どっちが良かったのか。
もうちょっとガツンと来る、旨味があるハズだったのに。
スープとしては非常に単調な味だったので、次回からはセオリー通り、かつお節や煮干し、干し貝柱、キノコなどで変化を付けようと思います。
ホタテ貝柱は高いんですよね。 小売りの小袋なんて、ブロークン(割れちゃった物)でもキロ単価にすると1万円以上。 業務用価格の2倍・・
そういえば昔、生のホタテ貝柱をレンジで乾燥させたことがありました。
塩ラーメンで有名な埼玉の「ぜんや」ですが、お店に食べに行った時は、これって別に普通のラーメンじゃ・・っと思いましたが、今回、シンプルな塩ラーメンを作ってみて、あらためて、「ぜんや」のメリハリのある塩ラーメンってバランスが良いんだな・・っと思い起こしました。 貝の香りと、分かりやすいハッキリした塩味、昆布も大量投入されているようですが、昆布臭さはなし。 「ぜんやの塩ラーメン」は決してインパクトが強い訳ではありませんが、それを自分で作ろうと思うと、何からやってよいのやら・・
さっきも書きましたが、「ぜんや」は背ガラとアバラ骨は入れているみたいです。あと、油はラード。塩は中国の塩などを使っているみたいです。化調はごく少量でしょうか。
味が落ちることが嫌で、行列が出来ても、支店は出さないそうです。超ゴダワリご店主。
ただ、「ぜんや」のカップラーメンとか市販麺はイマイチで、全然、味が違いますが。
< 余談 >
実は、頭の中で描いていながら、実現できないスープがありまして、
それは透き通った清湯スープなんだけど、飲むとズシーンっと来る、非常に重いというか、重厚というか、濃厚というか・・ そんなスープなんです。
世の中にも無さそうなラーメンなので、妄想だけで終わっちゃいそうですが、
なんとなくイメージだけは浮かぶんですよね。
こんなに透明感のあるスープなのに、ズシーンっと来る重さは何なんだ・・っていう
イメージなんですけど。 考えるだけ、アホゥですかね。
ウーロン茶とか入れてみたけど、不味くて仕方なかったし・・
新しい出汁の素材を考えてみたり、水やお湯で煮込むのではなく、何か別の物で煮込んだらどうなんだろうか・・ とか、色々考えはするのですが、
考えても考えても、一向に思い付かないのが無念でなりません。
「中華そば屋 伊藤」の煮干しラーメンは、最初は食べた時、その煮干しスープに衝撃を受けましたが、家で煮干しを大量投入したラーメンを作っていたら、全然インパクトを感じなくなってしまいました。 でもなんか・・ 伊藤で最初食べた日のような、あんな衝撃を受けるタイプのラーメンを作ってみたいものです。
行列時代の「なんでんかんでん」も、当時、未経験だった博多豚骨スープの味に衝撃を受けたものですが、今となっては・・。 もっと濃厚なお店が増えちゃいましたからね。その時代は、近所に博多ラーメンなんて一軒もなかったのに。
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