タレを作る
タレに使われる代表的な材料
無化調の有名ラーメン店の中には、
「 醤油と塩、酒、昆布 」
しか使わないシンプルなタレのお店もあります。
とんこつラーメン店でも、タレには「 うすくち醤油や塩 」
くらいしか使っていないお店もあります。
こういったタイプのお店は、スープが主役であり、タレは最低限の味付けをするだけで良いという
考え方なのだと思います。
いっぽうでは、ありとあらゆる材料をタレに使用しているお店もあります。
スープに加え、タレにも複雑な旨味を加えて、オリジナルな一杯を目指しているのだと思います。
タレ作りには、下記のような材料が多く使われています。
作りたいラーメンに応じて、頭の中で味を組み合わせると良いと思います。
◆ こいくち醤油 ・うすくち醤油 ・白醤油
・たまり醤油 ・甘口醤油 ・魚醤 |
◆ 本みりん ・日本酒 ・その他の酒類 ・酢 |
◆ 砂糖 ・ザラメ ・水飴 ・蜂蜜 |
◆ 海水塩・岩塩 |
◆ (楽天) 昆布
(日高・真昆布・利尻・羅臼など。 早煮コンブはNG) |
◆ 煮干し(イリコ) ・かつお節 ・サバ節
・宗田節 ・ウルメ節 ・ムロ節 ・サンマ節
アゴ節 ・マグロ節 ・鮭節 |
◆ (楽天市場) ホタテ貝柱 ・干しエビ
・干しシイタケ ・茶樹茸 ・ポルチーニ茸 |
◆ アサリ ・しじみ ・ホタテ ・ハマグリ
・イタヤ貝 ・(楽天市場)ムール貝 ・エビ |
◆ 肉 ・チャーシューの煮汁 |
◆ 野菜・果物類 |
◆ スープ ・水 |
◆ (楽天市場) 香辛料 ・ スパイス |
◆ 化学調味料 ・エキス類
・中華食材・中華調味料(○○醤など) |
など |
◆ その他 ※ 作る人の、アイデア次第です |
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ラーメンの塩分濃度と、タレの量
リンク > ラーメンスープ濃度計 塩分濃度計
◆ ラーメンの塩分濃度 ( スープ + タレを合わせた状態 )
ラーメンスープの塩分濃度は、一般的には 1.2
%前後 と言われています。
出汁がバッチリ効いていればそれ以下、濃い味が好きならそれ以上で良いと思います。
スープの量にもよりますが、ラーメン一杯あたりの塩分相当量は5〜8g前後が多いようです。
塩加減は、好みの問題もありますし、作ったスープによっても適切な量は変わってきますから、
1.2%前後になるよう、だいたいの目処をつけて、醤油や塩の配分を決めると良いと思います。
例
) 完成スープ量 430g ( スープ400g、 タレ30g
)
430gのスープで、 塩分濃度1.2% (
塩分 5.16g )だと
◆ こいくち醤油 25g ( 塩分濃度16%の醤油を使用。 含まれる塩分は4g
)
◆ 塩 1.16g
◆ 酒 3.84g
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醤油ダレ 合計 30g
のような感じ? 計算間違っていたらすみません。
また、gとccは同じモノとして計算しています。
実際には、スープにも塩分が含まれるかもしれませんし、あとは味見しながらですね。
◆ 醤油の塩分濃度
濃口醤油 約16〜17 %
薄口醤油(淡口醤油) 約18〜19 %
「うすくち醤油」を使ったタレは、「こいくち醤油」よりも、少ししょっぱくなります。
ちなみに、海水はしょっぱく感じますが、塩分濃度はわずか約
3.5 %だそうです。
醤油にはアミノ酸の旨味が含まれているので、しょっぱさが和らいで感じるそうです。

ラーメンスープ濃度計と、塩分濃度計 ( 詳細は画像をクリック )
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< 醤油ダレ >
醤油ダレを作る時は、最初に作りたいラーメンのイメージを考えると良いと思います。
それによって、選択する醤油の種類が変わりますので。
◆ こいくち醤油 ・・・ 醤油感を出したい場合。 醤油の色合いを強く出したい場合。
◆ うすくち醤油、白醤油 ・・・ さっぱり感を出したい場合。 スープの色合いを薄くしたい場合。
◆ たまり醤油、甘口醤油など ・・・ 醤油のまったり感を出したい場合。
数種類の醤油を混ぜて使用するお店もありますし、こいくち醤油だけでは色が濃すぎる場合は、うすくち醤油と混ぜたり、
塩で塩分濃度を調整したりしても良いと思います。
醤油ダレといっても、塩を加えるお店も多いですし、醤油100%のタレと、塩を加えたタレと、色々試してみると良さそうです。
本みりんや砂糖などは、スープに甘味があるかどうかで、入れたほうが良いかどうかは変わってくると思いますし、
スープの甘さは、個人個人の好き嫌いが出やすい部分ですので、好みで調整すると良いと思います。
甘味はスープにコクを加えますが、後味が甘ったるくなることもあるので、0.5〜1g単位で調整すると良さそうです。
醤油ダレに加える材料は、上記の材料表などから好みで選択すれば良いと思いますが、
乾物の材料は醤油に一晩、漬け込んでダシを取る方法と、軽く煮込んでダシを取る方法があります。
醤油ダレそのものも、加熱する方法、しない方法がありますが、
加熱する場合は、焦げないよう注意しながら、85℃くらいまで加熱して火を止め、あとは数日以上寝かせれば良いと思います。
ラーメン店によっては、材料を加えて長時間煮出したり、あえて沸騰させるお店もあるかもしれません。
もっともオーソドックスな醤油ダレは、
醤油、みりん、砂糖、酒、昆布などでチャーシュー用の豚肉を煮込んで、肉の旨味を移した醤油ダレ。
または、スープで豚肉を煮込んだ後、茹で上がった豚肉を熱いうちに、上記材料に漬け込んだ醤油ダレです。
ただ、豚肉の旨味が入るので、鶏の風味や旨味を優先させたいラーメンの場合には向かないかもしれません。
私は、タレはシンプルでいいと思うタイプなので、タレにはあれこれ材料は加えません。
材料はスープに入れてしまう派です。
< 塩ダレ >
スープを作ったら、塩だけを入れて飲んでみる。 その後、醤油だけを入れて飲んでみる。
多分、醤油のほうが、旨みを強く感じると思います。 醤油は、それ自体がアミノ酸の旨味を持っています。
(
ヤマサ醤油の解説 )
塩にはそれがないので、塩ダレには旨味成分を加えたほうが良いかと思います。スープが強烈に旨ければ、不要ですが・・
「塩にうま味」はあるのでしょうか? 塩事業センターQ&A
でも、回答に苦慮しているように読めます。
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塩・スープ、水・酒・本みりん・砂糖・ダシの材料・薄口醤油(白醤油) 等々・・ 混ぜたら、ひと煮立ち。
ダシ材料は、昆布や、かつお節など魚介系素材でもいいですし、個人的には
(楽天市場) ホタテ干し貝柱
などが好みです。 ホタテの貝柱は1万円/1kgなど、とても高価なので、乾燥工程で割れてしまった割れ物(ブロークン)が安くて良いと思います。それでも北海道産などは6千円くらいするでしょうか。
ホタテより小振りで安価な、イタヤ貝の貝柱もありますが、流通量は少ないかもしれません。
ホタテの風味だけを加えたい場合は、生・冷凍の貝柱の煮汁や、貝柱の缶詰の汁を加えても良いと思います。
キノコ類や、干シイタケ(どんこ)、茶樹茸、ポルチーニ茸などの乾物素材も、出汁として使えます。
乾物の材料は、火にかける前に一晩冷蔵庫で、タレに使用する水に漬けて出汁を取っておく方法もあります。
生のアサリやハマグリ、ムール貝などで出汁を取るお店もあります。 ハマグリ出汁で有名なお店のラーメンは美味しかったのですが、貝のエグミ(イガイガした苦味)が、口の中に結構残りました。
カツオ節などの節類も、使い過ぎるとエグミ・苦味が出ます。
あと、塩ラーメンといっても、薄口醤油(または白醤油)を少量加えているお店もあります。香りと、旨味が補強されます。
みりんは、あまり入れすぎるとシャープさが無くなります。みりんを多く入れて、あえて、味をぼやかしているお店もあります。
化学調味料を入れる場合は、塩ダレでアレコレ悩まなくても、結果的に美味しくなるので無問題です。
塩の場合は、塩分濃度や、塩カドの調整は難しそうです。 ちょっとでも塩が多いと、しょっぱくなりますし。
塩カドは、加熱して寝かせることで、まろやかになるかもしれませんし、使用する塩を変えるだけでも違うかもしれません。
以前、ある料理屋さんで、猛烈に美味しい岩塩がありました。しょっぱくなくて、お酒のつまみにペロペロなめられる塩でした。
どこの塩が聞いてこなかったので、後悔。 北陸地方の塩みたいでしたが。
ただ、それはかなりの大粒の粗塩で、後日ネットで調べてみると、大粒の塩は甘く感じるそうな。
もしまったく同じ塩が、細かくパウダー状に粉砕された状態だったら、あそこまで美味しいとは思わなかったのかな・・?!
塩もたくさん種類があるので、丸みのある美味しい塩を見つけたいですね。
( 塩専門店 まーすやー (楽天市場) 天然の塩 )
< 味噌ダレ >
味噌ダレも、どういう味噌ラーメンをイメージしてるのかによって、使う味噌も変わりますし、材料も変わりますね。
濃厚スープに辛め・甘めの味噌ダレが合わさったコッテリタイプもありますし、あっさりスープに辛め・甘めの味噌ダレの組み合わせもあります。 味噌ダレ作りも、他のタレ作りと一緒で、どうスープの味を想像して、材料を組み合わせるかなんですよね。
味噌ダレに使う材料は、アイデア次第で何を入れても良いのですが、代表的な材料は下記のようなものです。
焦げないよう、材料を弱火で混ぜ合わせ、一晩寝かせると、材料が馴染んで良い感じになるようです。
・ 味噌
・ 醤油、みりん、砂糖、蜂蜜、水飴 など
・ 日本酒、ワインなど
・ スープ、ダシ汁
・
リンゴ、桃、ナシなどの果物、にんじんやタマネギなど野菜のペースト(すりおろし)
・ にんにく、しょうがペースト
・ 白ゴマ(粒)、白ゴマペースト
・ ナッツ類のペースト(アーモンド・くるみ・ピーナッツ等)
・ 酒粕
・ 魚介系材料のダシ
(かつお節・煮干し・貝柱・干しエビなど)、 昆布出汁
・ 干しシイタケ等の乾物材料のダシ
・ ラードやゴマ油、太白ゴマ油、ラー油など
・ バター
・ 一味唐辛子・ペッパーなどの(楽天市場)香辛料、 各種スパイス、中華香辛料など
・ 中華調味料(豆板醤、XO醤、甜麺醤など)、韓国調味料(コチュジャン、テンジャンなど)
・ 化学調味料
自家製で味噌ダレを作っているお店の多くは、数種類の味噌
を混ぜ合わせているケースも多いと思います。
当店の味噌ダレには、香辛料など数十種類の材料を使用しています・・ というお店もあります。
中華調味料や韓国調味料
などは、食べている時に後から追加できますので、最初は入れなくても良いかもしれません。
化学調味料などが添加されているケースが多いですし、すでに完成された商品ですので、味がその調味料で決まってしまうことも考えられますので。
味噌は種類によって、味がまったく変わりますが
(もしくは、微妙に変わる)、日本全国の味噌を食べ比べるとなると、お金が結構かかるのが難点です。 私は冷蔵庫を味噌で一杯にしてしまい、家族に怒られた時期もありました。放置味噌が多数・・
スーパーで買える普通の味噌を使って、あとは他の材料やスープでカバーするという考え方でも良いと思います。
熟成期間の長い「赤味噌」は一般的に塩分濃度が高く、辛口。 熟成期間の短い「白味噌」は、甘口です。
キリッとした味の味噌スープが作りたいのか、とんこつスープなどと合わせたマイルドで濃厚なタイプの味噌スープが作りたいのかによって、辛口や甘口の味噌を選んだり、ブレンドすると良いと思います。
スープが濃厚ならよいのですが、スープが薄い場合はちょっと物足りない味噌ラーメンになってしまうこともあるかもしれません。キムチ鍋などもそうですが、そういう場合は、甘味(砂糖・果物類など)を加えると良くなることもあります。
以前テレビで見たお店は、味噌ダレにものすごく大量の砂糖を投入していました・・・ 甘そう。
砂糖の種類によって甘さの感じ方が異なるとかで、白砂糖やら三温糖やらザラメとか? 数種類の砂糖を入れていたような。
詳細は忘れてしまいましたが。
味噌を加熱するのか、しないのかは、みそ汁と一緒で、味噌の風味を強くしたいのか、味噌の風味をあえて抑えてしまうのか・・
作りたいラーメンによって、変えれば良いのだと思います。
味噌を加熱しなければ、味噌の風味や味は立ってくると思いますが、塩カドがあるかもしれませんし、生臭さも残ってしまうかもしれません。 加熱すると、味噌の栄養素が失われるという話しも良く聞きますが・・ どうなんでしょう?
まったく同じ材料を使って、加熱した味噌と、加熱しない味噌を食べ比べしてみるのも楽しいかもしれません。
(醤油ダレや、塩ダレも、食べ比べするのは大事だと思います)
味噌ダレに関しては、中華料理・そば屋・ラーメン店とも、業務用の味噌ダレを使用 ・・・
というケースも多いんじゃないかと。 あくまで推測ですが。 味噌ラーメンはおまけ程度のメニュー構成のお店で、香辛料の使い方とかが、あまりに出来すぎている味噌ラーメンはちょっと疑ってしまいます。最近の業務用味噌ダレはレベルが高いですし。
そば屋さんなんかは、よく缶カラが転がってますね。
醤油・塩ラーメンも、ちゃんと毎日スープ作ってるのかな・・ おそば屋さんって。 平和食品?エバラ?
< とんこつのタレ >
とんこつ用のタレについては、 こちらのブログ記事をご覧下さい。
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